「前進のために」  05.09.25
              使徒言行録6:1〜15

 初代の教会の伝道が進展し、教会に多くの信仰者が集まるように
なって、問題が起こってきました。
 教会に、ずっとイスラエルに住んでいるユダヤ人(ヘブライ語を
話す)と外国出身のユダヤ人(ギリシャ語を話す)の二つのグループが
おこり、日々の食料の分配を巡って不公平が生じたというのです。
 そこで、使徒たちは、この問題の解決のために、提案をしました。
 それは、食事の分配の世話をする七人を選び、特別の奉仕者と
して任職するというものでした。
 そして七人が選ばれたのです。
 二つのグループが不公平にならないように調整をするためである
ならば、七人という人数は賢明ではありません。
 それぞれから同数を選ぶことができないからです。
 しかも、選ばれた七人の名は、すべてギリシャ人の名でした。
 これは、使徒たちがこの問題を人間的な知恵や調整方法によって
解決しようとしたのではなかったということです。
 この世的な、食べ物の分配を巡っての事柄を、まことに信仰的な
仕方で解決しようとしたということです。
 この奉仕者が立てられたのは、神さまの御言葉を重んじるため
でした(2・4節)。
 不公平にならないようにし、分配をスムーズに進めようとしたのは、
御言葉を重んじ、祈りを重んじ、礼拝を重んじるためです。
 教会が重んじるのは、 これ以外にはありえません。
 そして、御言葉を重んじ、主の愛を味わうことによって、結果的に
問題は解決されていきました。

 教会にはさまざまな奉仕があります。
 牧師、司式者、オルガニストだけでなく、すべての奉仕が礼拝の
ためにあります。
 どの委員会の働きも、御言葉を重んじるための働きです。
 婦人会、壮年会、青年会も御言葉を重んじる信仰生活のために、
互いに祈り励ましあう交わりをすることが目的です。
 それが見失われたとしたら、教会にとって必要な働きとは言えません。

 御言葉を重んじることで問題が解決され、恵みと力に満ちた
生き生きとした生活が生まれます。